ファンダメンタルズ分析がなかなか頭に入らないので、整理していこうと思います。
今後、取得したいと思っている、ファイナンシャルプランナーの出題範囲でもあるので、まとめるにはちょうど良いネタです。
GDP(国内総生産)
日本のGDP
マクロな視点で経済動向を見る指標で、日経平均と連動している。
- 名目GDP:市場で取引された額をもとに推計・集計されたもの
- 実質GDP:物価変動の影響を取り除いたもの
- GDP成長率:どれだけ成長したかを示す。(低くて0.1~0.2%、高くて約4%)
経済動向を見るには、実質GDPが重視される。
米国のGDP
米国の実質GDPは、S&P500に連動している。
米国のGDPは世界の4割を占めるため、日本への影響もある。
- 日本|内閣府|国民経済計算(GDP統計)
- 1次速報は、2月・5月・8月・11月に出される。
- 米国|BEA(米国商務省経済分析局)|GDP速報
- 1次速報は、1月・4月・7月・10月に出される。
貿易収支 – GDPの先行指数
輸入と輸出の差額を表す経済指標。
- 貿易黒字が増えるとGDP押上の原因となる。
- 毎月発表されるため、GDPより速報性が高い。
- 日本|財務省|貿易統計
- 毎月下旬に発表
- 米国|BEA(米国商務省経済分析局)
- 毎月20日に発表
CPI(消費者物価指数)
消費者の購入価格の動向を表した指標。インフレ率を測る。
- 総合指数:すべての商品やサービスが対象
- コアCPI:生鮮食品を除いたもの
- コアコアCPI:生鮮食品とエネルギーを除いたもの
CPIの急な上昇は売りを検討するサイン
先進国では、CPIの前年比の目安は2%とされ、超えたらインフレが加速していると判断される。
→売りの検討
- 日本|総務省|消費者物価指数(CPI)
- 毎月第3金曜日に発表
- 米国|米国労働省労務統計局|Consumer Price Index
- 毎月13日ごろ
企業物価指数とPPI
PPIとは、生産者物価指数のことで、米国が算出している指標が有名。
生産者が販売した製品(原材料や中間財も含む)の価格変動を表す。
- PPI:すべての品目が対象
- コアPPI:生鮮食品とエネルギーを除いたもの
日本では、「企業物価指数」が近い。
- 日本|日本銀行|企業物価指数
- 毎月第8営業日に発表
- 米国|米国労働省労務統計局|Producer Price Indexes
- 毎月15日前後に発表
雇用関連
有効求人倍率
倍率が1を上回れば、求人が多い好景気の状態を表している。(買いサイン)
景気にほぼ一致した動きをする「一致指数」であり、景気の現状把握に利用される。
完全失業率
労働人口のうち、職がなく、求職活動をしている人の割合。(増加は売りサイン)
景気動向に遅れて変動する「遅行指数」である。
- 日本|厚生労働省|一般職業紹介状況(職業安定業務統計)|有効求人倍率
- 月末に、前月分の集計結果が公表される。
- 日本|総務省|労働力調査|完全失業率
- 月末に、前月分の集計結果が公表される。
雇用統計
全米の雇用者の1/3を網羅した指標。
非農業部門雇用者数(NFP)は、自営業者・農業従事者を除いた雇用者が対象で、数値が下落すると不景気、上昇すると好景気と判断される。
- 米国|労働省労働統計局|雇用統計
- 毎月第1金曜日には確認するとよい。
消費・売上(米国)
個人消費支出と個人所得 – GDPの先行指数
個人消費が増えると景気改善の一因となるため、買いサインと考えられる。個人所得と相関が高い。
米国では、個人消費がGDPの7割を占める。
個人消費の増減がGDPに影響を与えるため、GDPの先行指標として利用される。
- 米国|米国商務省経済分析局
- 毎月末に発表
消費者信頼感指数
米国の消費者を対象に行ったアンケートをもとにした指標。
1985年の結果を100として、それより高ければ数値は100以上、低ければ数値は100以下になります。
米国のGDPや個人消費支出の先行指標として知られている。
- 米国|シンクタンクであるコンファレンスボード(CB)とミシガン大学
- 毎月第2または第3金曜日に発表される。
中古住宅販売件数
住宅業界の動向だけでなく、耐久財の消費量を示す先行指標としても知られている。
中古住宅販売件数の増加は買いサイン。
集計タイミングが1~2か月ほど遅いため、景気の反映がやや遅くなるというデメリットがあるが、中古住宅の市場が新築住宅よりも7.6倍と大きい為、中古住宅販売件数のほうが重要な指標となっている。
- 米国|全米不動産業者協会
- 毎月25日ごろに発表される。
新築住宅販売件数
中古住宅販売件数と同様に、耐久財の消費量を示す先行指標としても知られている。
新築住宅販売件数の増加は買いサイン。
契約時点という早期の段階で集計していることから、「先行指標」として知られている。
- 米国|米国商務省
- 毎月25日ごろに発表される。
住宅建築許可件数と住宅着工件数
住宅建築許可件数が増加すると、耐久財の需要が上がりやすい。
住宅着工件数は、耐久財の先行指標とされている。
月ごとの細かな変動ではなく、大まかな推移の把握に利用。
- 米国|米国商務省
- 毎月第3週に発表される。
S&Pケース・シラー住宅価格
米国の戸建ての再販価格の変化を示した指標。
この数値が上昇すると好景気、買いサインとなる。
- 米国|ファイサーブ(金融・決済テクノロジーを扱う企業)が算出し、S&P社が発表。
- 毎月最終火曜日
小売売上高 – GDPの先行指数
上昇すると好景気で、買いサイン。
GDPを推計する際に利用される。
- コア小売売上高:自動車とガソリンの売上高を除いたもの。個人消費の基調を測る指標。
- 米国|米国商務省センサス局
- 毎月第2週
卸売在庫と卸売売上高
在庫が減少していれば、景気が良く、買いサイン。
ただし、在庫が増える場合は、2つの要因が考えられる。
景気が悪く、在庫が増えている。景気が良いため、在庫を切らさないように、積極的に補充している。
そのため、増加は必ずしも景気悪化を示唆するものではない。
卸売在庫と卸売売上高で景気を把握することが重要。
卸売在庫が増えていても、卸売売上高が増えていれば好景気。
- 米国|米国商務省
- 毎月中旬
日銀短観(企業短期経済観測調査)
企業1万社以上に対して行う、現状と先行きに関するアンケート調査。
DI(ディフュージョン・インデックス)という方法で結果が算出され、0であれば横ばい、マイナスであれば、景気が悪いと感じる人が多く、プラスであれば、景気が良いと感じる人が多い状態。
業況判断DI、需給・在庫・価格判断DI、生産・営業用設備判断DIなどの項目に分かれて発表される。
投資家は、景気全体の業況判断DIを注目している。
- 日本|日本銀行|日銀短観
- 毎年、3、6、9、12月には発表される。
景気ウォッチャー
景気に敏感な職種2050人に行うアンケートをもとにした指標。
50以上が好景気を表す。(買いサイン)
現状判断DI、先行き判断DIで発表される。
- 日本|内閣府|景気ウォッチャー
- 毎月6営業日
各業界の景気を測る、景況指数
ISM製造業景気指数
米国の製造業350社の仕入れ担当者に対して景気の現状と見通しにまつわるアンケートの結果を集計・数値化したもの。
50を上回ると好景気で買いサイン。
- 米国|米国供給管理協会(ISM)
- 毎月1営業日
ISM非製造業景気指数 – GDPの先行指数
米国の非製造業(サービス業)300社以上の購買担当役員に対して景気の現状と見通しにまつわるアンケートの結果を集計・数値化したもの。
50を上回ると景気拡大で買いサイン。
この指標は、ISM製造業景況指数と比べて歴史は浅いが、米国のGDPの7割は個人消費のため、株価への影響が大きいといえる。
- 米国|米国供給管理協会(ISM)
- 毎月3営業日
フィラデルフィア連銀製造業景況指数
製造業中心地の景況感を測る指標。(ペンシルベニア州・ニュージャージー州・デラウェア州)
0が横ばい、0以上を好景気、0未満は不景気を表す。0以上で買いサイン。
- 米国
- 毎月第3木曜日に当月の結果が公開
製造業の景況感を表す指標は3つあり、下記の順で発表される。
- ニューヨーク連銀製造業景況指数
- フィラデルフィア連銀製造業景況指数
- ISM製造業景気指数
機械受注統計
メーカーが設備投資として受注した機械の数。対象は280社。
数か月後の景気動向を探る際に有効。
- 日本|内閣府|機械受注統計
- 翌々月の10日に発表される。
鉱工業指数
鉱工業とは、日本の産業活動を代表する産業である、鉱業と製造業の総称であり、鉱工業の動向で、国内経済全体の動きを知ることができる。
- 生産指数:生産活動全体の水準の動きを示す
- 出荷指数:工場からの出荷状況を示す
- 在庫率指数:需給動向を示す
- 生産能力指数:各設備をフル稼働した時の生産能力
- 稼働率指数:各設備の操業状況を示す
- 生産予測指数:2か月の生産を予測する
- 日本|内閣府|鉱工業指数
- 翌々月の10日に発表される。
- 米国|FRB(連邦準備制度理事会)
- 14~17日に、前月分の速報を公表。
耐久財指数
米国の耐久財の受注数などを取りまとめた指数。
耐久財とは、3年以上の使用に耐えることができる消費財のことを指し、自動車・航空機・パソコン・家具などが該当する。
- 出荷
- 在庫
- 新規受注
- 受注残高
新規受注が先行指標として重視されている。
- 米国|USCB(米国商務省の国政調査局)
- 毎月25日前後に前月分の数値が発表される。
バルチック海運指数
世界各国の海運会社やブローカーから、鉄鉱石・石炭・穀物といった乾貨物を運搬する不定期船の運賃や用船料を集計し、1985年1月4日の結果を1000として指数化している。
数値が上がると、株価上昇が期待され、海運業の銘柄の買いサインと考えられる。
また、日本の株価にも関連します。
- 英国|バルチック海運取引所
- 毎営業日、ロンドン時間13時
その他の指標
生産年齢人口
労働力となる15~64才は、生産年齢人口と呼ばれ、経済の盛衰を測る目安となる。
有望な新興国を探す際に使える指標。
地政学リスク
地理的な位置関係によって、政治的・軍事的な緊張の高まりが、関連地域の経済を停滞させたり、商品市場の高騰、為替通過の変動を招くリスクのこと。
経済指標カレンダーリンク集
様々な証券会社が経済指標カレンダーを作ってくれています。
マネックス証券 | 経済指標カレンダー |
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